『あの時、大くん結局寝ちゃったのよね』
そうなのだ。睡眠不足に加え、お腹も満たされた充足感からか、彼は話の途中ですやすやと落ちてしまった。
「そうだったかな。なんか次の日に凄く怒られて、その後何故かキスされた事しか覚えてないかも」
彼の睡眠がタダの仮眠ならば良かったのだが、彼はあの後レストランで熟睡してしまい昼過ぎまで起きなかったのだ。
おかげで彼女は店員から随分と冷ややか対応をされたのである。
しかし、何故キスをしたのか。
『変な所しか覚えてないのね。嫌な記憶力』
そう言いながら彼女はゆっくりと珈琲に口を付けた。
「確かさ、なんか……寝言で胸の事を褒めてたとか、そんなのじゃなかった」
『な、』
シオリは思い出したくもなかった記憶を急にぶり返されて、思わず珈琲を吹きそうになった。
『何言ってるのよ』
「違ったかな」
決して故意ではないのだろうが、今のシオリには全くわざととしか思えない。
つくづく女心が解らない人なのだ。
そうなのだ。睡眠不足に加え、お腹も満たされた充足感からか、彼は話の途中ですやすやと落ちてしまった。
「そうだったかな。なんか次の日に凄く怒られて、その後何故かキスされた事しか覚えてないかも」
彼の睡眠がタダの仮眠ならば良かったのだが、彼はあの後レストランで熟睡してしまい昼過ぎまで起きなかったのだ。
おかげで彼女は店員から随分と冷ややか対応をされたのである。
しかし、何故キスをしたのか。
『変な所しか覚えてないのね。嫌な記憶力』
そう言いながら彼女はゆっくりと珈琲に口を付けた。
「確かさ、なんか……寝言で胸の事を褒めてたとか、そんなのじゃなかった」
『な、』
シオリは思い出したくもなかった記憶を急にぶり返されて、思わず珈琲を吹きそうになった。
『何言ってるのよ』
「違ったかな」
決して故意ではないのだろうが、今のシオリには全くわざととしか思えない。
つくづく女心が解らない人なのだ。



