２ＬＤＫのお姫様

リビングでお腹を出して眠っていたホノカにタオルケットをかけて、二人は近くのファミレスに向かった。


やはり、この時間は流石に人気はあまり無い。


朝霧の立ちこめる街の中に、ポツンと光る建物はファミレスかコンビニくらいだ。


『今日は私が払うから、好きな物頼んで良いわよ』


お金はあまり無いのだが、好きな人にはどうしても払ってあげたくなる。


年上の女の性質かもしれない。


「いや、悪いです。だから割勘でお願いします。」


『別に良いのよ。昨日今日と、長いこと付き合わせちゃったから』


「いや、全然。凄く楽しかったですよ」


彼は結局安い和風定食を注文し、彼の言うまま、割勘することになった。


「まだ７時前ですか。外寒いから、もう少しここにいましょうか」


『寝てても良いのよ。お越してあげるから』


「大丈夫です。それに、もう少し話していたいですから」


彼はそう言って眠たい目を擦りながら、彼女との穏やかな時間を過ごした。