「じゃあ一旦帰るから、戸締まりには気を付けてね」
夕食を食べ終わると、大は一度部屋に戻るらしい。
『……大丈夫。直ぐ閉めるから』
玄関まで一応見送る。
本当に、こんな日々がいつまで続くのだろか。
正直不安になる。
「じゃあ……ん?」
大が帰って行く。
『……ぁ』
つい彼の手を掴んでしまった。自分でも驚いた。
掴まれた方の大も、少し戸惑いを隠せないでいる。
「大丈夫ですよ。直ぐに戻って来ますから」
『うん……』
本当に本当にたまにだが、私はたまにこういう事をしてしまう。
分かっている。分かっていても、不安になってしまう。
こんな目が続くのも
正直少し怖い。
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