「ごめん、ごめん」
笑いながら謝る彼を見るのは、少し懐かしい。
『ごめんじゃないわ。本当に……泥棒かと思った』
シオリを驚かそうと思った彼のサプライズは、少し効きすぎた。
でも少し嬉しいのは隠せない。
「おかえり、シオリさん」
帰って来てから、もう３０分は経っている。
『ただいま……』
そんな風に、そんなに嬉しそうに迎えてくれると、ちょっと。
いや、すごく照れる。
「今日はホノカ先輩が居ないみたいだから、留守を預かる約束をしたんです」
彼の時たま喋る敬語は、何故だか凄く落ち着きのある清らかを纏っていて、何だか……ぎこちない。
でも……
『今日は私、結構疲れてるから、あんまり構ってあげれないわよ。』
どうせソレが目的だろうから。
「いやいや、今日はシオリさんの面倒も預かってますから、どうぞ何なりと御命令下さい。」
『……そぅ……///』
シオリは何だかホノカたちに、してやられた気分がして、どこか悔しかった。
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