「じゃ、行ってくるね……」と 黒いバックを手にし 玄関へむかう。 眠り人はソファーに座り、雑誌に目を通していた。 朝の彼女はキッチンで洗い物をしていて、体の細い彼女は一段と小さく見える。 『………ぁ……、』 と彼が玄関に行くと不意に振り返った。 慌てて彼の方へ向かう。 彼の所へ言っても、面と向かって満足に話も出来ないのに バカな女だと 自分で悲しく反省する。