2LDKのお姫様

午前6時



『………………ん』



翌朝、シオリは少し遅めに目を覚ました。



実の所、結局昨日はなかなか寝付けず、目を閉じようとしたときには既に3時を過ぎていた。



いつも目指し時計のアラームは5時に設定しているから、普段より一時間遅く起きたことになる。



『はぁ……』



体を起こして、ぐっときた疲れに、ついため息が出た。



パジャマを脱いで、服を着て台所へ向かう。



あの二人は未だぐっすり。



彼は……



シオリはまだ寒い風が吹く中、ベランダから隣を覗く。



我ながら何をやってるんだろうと思う。まるでストーカーだ。



『……』



しかしそのしつこさのおかげで彼の部屋はよく見渡せた。



どうやら彼も起きているらしく、もう既にリビングのカーテンは開いていた。



気付かれるとまずいので、咄嗟に顔を戻し、振り向きざまに外に目をやる。



今日は日差しが強そうだ。



中に戻ると、シオリもあのワガママ姫の眠るリビングの方へ向かい、カーテンを勢い良く開けた。



『…………っ』



暗い部屋に入った鋭い光に、思わず目に手を当てる。




『眩しい……』



まだエプロンはつけていない。