「シオリさ、普段大くんと寝る時髪解いてるんじゃない」
『うん……』
確かに、夜中。彼の部屋を訪れる時には決まって髪は解いて行く。
何せ、それがOKのサインだからだ。
「やっぱり。大くんシオリが髪結んでたから、何も感じなかったんだよ」
ホノカ曰わく、大はシオリが髪を解いているならやる気満々だが、髪を結んでいるシオリには、何にも感じる事が無く、ただ女が横にいるだけだと思っているんだ、と言うことらしい。
「大くんはさ、やっぱり髪は解いてる方が好きなのさ」
『そんな、嘘よ……』
思わず口が尖った。
「なんで嘘なの」
『だって……別に誉められたこと無いのよ……』
髪のことなんて、何も言われたことが無い。
「誉めるかは、まあよくは解らないけど、勿体無いよ」
『何が』
珍しいホノカの強気な口調に、自然と背筋が伸びる。
「シオリはさ。前から恋とか疎いからさ。お化粧とか、オシャレとか、あんまりしてなかったでしょ」
『うん……』
シオリはゆっくりと昔を思い出しながら頷く。
「でも肌と髪はいつも入念にケアしてたじゃない」
そういえば、一回……
お気に入りの洗顔石鹸が無くて。
夜中、高校の寮をこっそり抜け出したこともあった。
*****
『うん……』
確かに、夜中。彼の部屋を訪れる時には決まって髪は解いて行く。
何せ、それがOKのサインだからだ。
「やっぱり。大くんシオリが髪結んでたから、何も感じなかったんだよ」
ホノカ曰わく、大はシオリが髪を解いているならやる気満々だが、髪を結んでいるシオリには、何にも感じる事が無く、ただ女が横にいるだけだと思っているんだ、と言うことらしい。
「大くんはさ、やっぱり髪は解いてる方が好きなのさ」
『そんな、嘘よ……』
思わず口が尖った。
「なんで嘘なの」
『だって……別に誉められたこと無いのよ……』
髪のことなんて、何も言われたことが無い。
「誉めるかは、まあよくは解らないけど、勿体無いよ」
『何が』
珍しいホノカの強気な口調に、自然と背筋が伸びる。
「シオリはさ。前から恋とか疎いからさ。お化粧とか、オシャレとか、あんまりしてなかったでしょ」
『うん……』
シオリはゆっくりと昔を思い出しながら頷く。
「でも肌と髪はいつも入念にケアしてたじゃない」
そういえば、一回……
お気に入りの洗顔石鹸が無くて。
夜中、高校の寮をこっそり抜け出したこともあった。
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