あの後……
琵琶湖を後にした2人は、途中みち沿いにあるお店に立ち寄ったりして、いつもと違う時間を楽しんだ。
そして夜は旅館に泊まった。
名前はそこまで有名ではないらしいが、とても大きな旅館だった。
中は至って普通の和風旅館で、「恋人同士ですか」と聞かれ、中々「はい」と言わない彼が少し頼りなかった。
料理も、美味しかった。お風呂も庭の景色が綺麗で充分満足できた。
そして11時も周り、2人は布団に入って電気を消した。
「もう寝た」
『まだ……』
そんな取り留めも無い会話をちょっとして……。
『寝たの』
「え」
今度は拍子抜けした表情を浮かべながら、それでもせんべいを口に運ぶ。
「何それ。あんたたち本当に」
『何、何か文句でもある』
シオリの冷たい視線。
「いや何でもありません」
流石のホノカもシオリには勝てない。
『でも……』
確かに彼女に言い分もある。
普通、若い恋人同士が同じ屋根の下に、一緒に寝ていれば何かあるのが……普通。
浴衣だし、雰囲気も有るし。
ちゃんと心の準備も出来ていた。
「シオリさ、お風呂入った後、髪解いて部屋に戻った」
シオリはいつも髪は後ろで1つ結びにしている。
『髪は脱衣場で解いてたけど、ドライヤーあったから、部屋に戻る時は結び直して…』
「それよ、シオリ」
何かを悟ったような口振り。
ゆっくりとホノカは続けた。
*****
琵琶湖を後にした2人は、途中みち沿いにあるお店に立ち寄ったりして、いつもと違う時間を楽しんだ。
そして夜は旅館に泊まった。
名前はそこまで有名ではないらしいが、とても大きな旅館だった。
中は至って普通の和風旅館で、「恋人同士ですか」と聞かれ、中々「はい」と言わない彼が少し頼りなかった。
料理も、美味しかった。お風呂も庭の景色が綺麗で充分満足できた。
そして11時も周り、2人は布団に入って電気を消した。
「もう寝た」
『まだ……』
そんな取り留めも無い会話をちょっとして……。
『寝たの』
「え」
今度は拍子抜けした表情を浮かべながら、それでもせんべいを口に運ぶ。
「何それ。あんたたち本当に」
『何、何か文句でもある』
シオリの冷たい視線。
「いや何でもありません」
流石のホノカもシオリには勝てない。
『でも……』
確かに彼女に言い分もある。
普通、若い恋人同士が同じ屋根の下に、一緒に寝ていれば何かあるのが……普通。
浴衣だし、雰囲気も有るし。
ちゃんと心の準備も出来ていた。
「シオリさ、お風呂入った後、髪解いて部屋に戻った」
シオリはいつも髪は後ろで1つ結びにしている。
『髪は脱衣場で解いてたけど、ドライヤーあったから、部屋に戻る時は結び直して…』
「それよ、シオリ」
何かを悟ったような口振り。
ゆっくりとホノカは続けた。
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