2LDKのお姫様

彼との生活は増えていく。


恋することが不安になるなんて、想像したこともなかった。


怠惰な感情に身を任せた1日を送って、瞬く間に夜が来る。


『……起きなさい』


結局あの2人は帰って来ず、気付けば今日も隣に彼がいる。


「ん……どうかしました」


辛そうに目を覚ます彼を見るのは珍しい。青黒い髪の下に眠そうな目が見え隠れしている。


『ちゃんと自分の部屋に寝たほうが良いわ。また風邪ひくわよ』


彼女の部屋には二人サイズのベッドがあるのだが、二人が充分に眠れる広さではない。


彼女はよく彼の体調を気づかっては、部屋に戻ることをすすめている。


いや正直な所は、誰にも二人でいる所を見られたくないのだ。


見られてしまえば一日中カモにされれのは目に見えている。


「じゃあシオリさんも一緒に来てくださいよ」


『どうして』


「寒いじゃないですか」


『甘えないで』