2LDKのお姫様

やはり彼がもっと、優しければ。


『今日も泊まっていくの』


彼女の家の方には小さいが、彼が使っている部屋がある。そこによく彼も泊まりに来ているのだが、最近はほとんど来ておらず、簡単な寝具とお菓子やジュースくらいしか置かれていない。


しかし昨日は珍しく彼女の部屋に泊まらせてもらったのだ。


「いや今日は帰ります。課題がたくさん出ているので」


『そう……』


やはり優しくない。


「でも夜は空いてますよ。今日はこっちに来ますか」


『いいわ……』


「素直じゃないね」


『私は……。大くんが思ってるほど、大人じゃないの』


そう言って彼女は立ち上がり、部屋に入ってしまった。


大人になりきれてないのはお互い様だ。


年齢と体つきだけが瞬く間に大人になって行ってしまって、心とか責任感とか言う大切なものだけが着いてこれていない。


そんな感じだ。