2LDKのお姫様

電話を切ると、直ぐにリビングへ戻って時計を見た。



『まだ朝か……』



彼から家に来てほしいと言われるのは、久しぶりの事だ。



何かあったのだろうか。



少し不安もあるが、そんなことはどうでも良かった。



彼が帰ってくる。



それだけで怒りがおさまっている自分が少し恥ずかしくなる。



彼との恋が始まって、別にこれと言って何も無かったと言えば嘘になるけど、あまり恋人らしい仲では無い私たち。



でもやはり嬉しい。



ごはんを用意しておこうか。
そんなことを迷っている。



そういう事はやはり図々しいのだろうか。未だに本当に自分は彼のカノジョなのか、自信が無い。



『…………はぁ』



しかし今日の彼は妙におかしかった。あんな手慣れたように優しい人では無かったはずだ。



しかしまあそれはどうでも良かった。ソファーに座って、ため息が出た瞬間、疲れが一気に全身を駆け抜けていく。



そしてゆっくりと眠りに落ちた。