2LDKのお姫様

『急にどうしたの……』



その頃、こちらも一波乱ありそうな、あまり良く晴れそうにない雰囲気である。



「いや、ちょっと声が聞きたくなって。元気してた」



『うん………。まあまあよ』



大の思い掛けない言葉に、少し恥ずかしさを感じる。



『で、用事は何なの』



「実は予定が早まって、今夜帰って来るんです」



『そうなの。何時頃になりそう』



「11時過ぎると思います」



『分かった。迎えに行こうか』



変な会話。何かぎこちない。



彼はこんなに可愛い人だっただろうか。



「いや、駅にバイク置いてるんで。着いたら電話するから、部屋の方に来てもらって良いですか」










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