ベッドまで彼を連れていき、どうにか寝かせた。
これが案外疲れるのがが、何故か楽しいのだ。
『………』
寝顔とか、焦った表情とか、下心だけど恥じらう姿だとか、こういう素の面が見れるのが特権だから、かもしれない。
もちろん、随分疲れる方が多い。彼も同じだけど、私だって未だ学生で、大変な日々は続いている。
やはり、たまにこうやって彼と過ごす日々は物凄く大事なんだと思う。
何故だろう。
『……………』
いや、私も今は何も考えなくて良い。ただ今はこうやって、彼の横にいれれば。
何故だろう。
おそらく、シオリも彼に、一緒に過ごす日々をとても大事にされていて、癒されるからだろう。
じゃなければ、こんな無垢な、こんな完璧さの感じられない、普通の少女の様な寝顔は見られないだろうから。



