2LDKのお姫様

『あがったらすぐ寝るのよ……』



ここて、バスタオルだけを巻いた彼女の姿に大が興奮して鼻血まで出してしまったという裏話はしないでおこう。



それではあまりにも大が不憫である。とんでもない変態ぶりだからだ。



「すみません」



『謝るなら、もっと下心の無い、誠実な謝意を示してください』




結局彼女も一緒に入ってしまった。いや入らざるを得なかったのかもしれない。



湯船にお互い向かい合うように浸かっている。誰かが見張っていなければ、今の彼では使い物にならないからだ。



彼は意外に長湯をする。うたた寝も多い。



「下心なんて無いですよ」



『じゃあ、その手を放してください』



さっきから大は彼女の髪を触って、ずっと放さないでいた。



彼女からすれば、珍しく彼が自分の髪をほめてくれたことが最初は嬉しかったが、流石にここまで長くなるとしつこい。



『髪を触るのは下心の現れよ』



「意外に心裏系特集とか好きなんだね」



また負けた気がする。