2LDKのお姫様


午前1時。



何故かすでにぐったりとしている彼女は、バスタオルだけを身体に巻いて、お風呂へとせっせかせっせかしていた。



『大丈夫………』



心配する彼女。それも無理は無い。結局あれから彼は服も着ずに、かれこれ4時間以上ベッドに入っていたからだ。



いくら西日本でも、最近は随分と涼しくなっている。



「大丈夫、大丈夫……」



と言いながらもくしゃみをしている彼を見て、シオリが自分の恋愛観をもう一度見直したくなるのは無理もない。



『もう……』



冷静な彼とは言え、冷静さだけを見ているから稀にある熱を意外に手がかかる様な気がするからだろう。



直ぐに駆け寄って、ティッシュを渡す。



「ごめん」



『良いから、早く何か着るか羽織るかしなさい。お風呂沸かしてるから』



まるで親子の様な光景である。



もちろん大が子供たることは言わずもがな、だろう。