2LDKのお姫様


次の日。



大は今日も気持ちが沈んでしまい、何も手が付けられない状態が続いていた。



服装もダラダラになり、朝食も喉を通らない。朝からコーヒーしか口にしていない。



このまま、ずっとこうしていたら、自分はどうなるのか。



そんな事を考えてしまう。



すると、もう寝てしまうか、と思っていた時だ。



玄関のチャイムが鳴った。



誰だろうか。こんな夜に自分を訪ねてくれる人など、なかなかいない。



不安がりながら玄関へ向かい、鍵を開けた。



「はい……」



そこにはある人の姿があった。



顔は決して笑ってはいないが、とにかく抱き締めたくなるような可愛い人が。



部屋の奥は暗い。電気さえ点けていなかった。



その人はゆっくりと近付いてきた。そして大の腕を掴んだ。



『……今日、泊まっていい』



「是非とも」