10分くらいして、シオリの部屋が開く音がした。
「っ!」
大がたまらず部屋に向かう。
しかし……
『………っ!』
大が鉢合わせるはずだったホノカの姿は無く、そこにはシオリがいた。
あまりの勢いだった為に、そのまま彼女にぶつかってしまったのだ。
急に来た彼にシオリも思わず驚いていた。
「ごめん……」
とにかく謝るのが先だ。よろめいた彼女の腕を取り、ちゃんと顔をあわせる。
『いや……大丈夫』
今にして思うが、やはり彼女の身体は華奢だ。青白くは無いが、やはり肌も随分白い。
掴んだ腕も細くて、強く握れば直ぐに紅くなってしまいそうだ。
しかし、そんなコト、今はどうでもいいのだ。
「あのさ、何の話だったの」
『いや、別にそんなに大した事じゃないわ』
なんだか冷たい。
そんな気がする。



