「大くんさ、シオリ先生と別れたら隣には住み辛いね」
しゅいろが珍しく痛い所を突いてくる。
緊張からか、ダイニングから動けずにいた大はしゅいろの何気ない一言に、震えあがるような焦りを感じ続けていた。
「いやいや、別れるなんて……」
別れるなんて……
「ついに、この日が来たって感じじゃないの」
しゅいろはソファーからどんどん沈んでいく大を、面白そうに見つめている。
大も大で、今はどんなことでも簡単に流せる気分ではない。
とにかく早く帰って寝てしまいたい。そして全て夢であって欲しい気分だろう。
「あぁ……」
しゅいろの言葉にまた沈んだ。
その頃、シオリの部屋では何か談義が行われていた。
ホノカが珍しく行儀が良いので、やはりコトの大きさはなかなかなのだろう。



