2LDKのお姫様

シオリが朝食を食べる間、大とホノカはずっと萎縮していた。



何か怖いのだ。



ホノカは考えた。シオリはおそらく朝食のメニューに失望しているんだと。



大は考えた。シオリはおそらく何か悩みがあるのではないだろうかと。



「…………」



もしや好きな人が出来て、彼女は自分に別れ話を付けようとしているのでは無いだろうか。



確かにそう考えれば最近の彼女の言動にも合点が行く。



泣きそうになる。



『ホノカ、食べ終わったらちょっと私の部屋に来てくれない。話があるの』



「え……」



何だ。ホノカは一瞬怯む。そして



「ああ、うん」



と大の方を見ながら、答えた。



シオリは食べ終わった食器を洗い、大にお礼を言って部屋に入って行った。



「ヤバくないすか」



「こりゃヤバいね」



やはり、状況はかなりヤバくなっていた。



しゅいろも珍しそうな目を向けていたが、昨日から最早逃げ腰になっており、全く首を突っ込んでこない。



「と、とりあえず行ってくるよ」