「シオリもさ、何だかんだで女なんだから、結局は構ってほしいのよ」
まあ肯定は出来ないが、しかし否定も出来ない。やはり不満があるのは確かなはず。
ただその不満が大にはわからない。
いや、それが解れば世の男たちは苦労しないわけだ。
考えてみよう。
まずは、家事だ。生活面は大事な要素になるはずだ。
「やっぱり、シオリさんは家事が大変なんじゃ……」
「違う」
ホノカは直ぐにそれを一蹴した。それは当たり前だ。なんせそれを肯定すれば犯人は自分になる。
「だから……、肉体関係のズレじゃないの」
肉体関係とは。それはまた込み入った案件だ。
「それは無いですよ」
「いやいや、そうだって。案外シオリも好きなのよ」
有るはずが無い。いや、そう思いたいだけかもしれないが。
「今日さ、家に呼んでみなさいよ。きっと嬉しくて、尻尾まで振りながら来てくれるハズだから」
それはそれで嬉しい話かもしれないが、いや、それも思いたくない。



