「それが原因なんじゃない」
二人が諦めかけていた所に、ある一人の女が現れた。
「それが原因って、何がですか。ホノカ先輩」
得意気な表情を浮かべながら、ゆっくりと大の肩を叩いた。
「だから、ズバリ」
「ズバリ……」
あまり期待は出来ない。
先輩の事だ、どうせろくな事は言ってこない。
「簡単に言えばさ、何もしてないから怒ってるのよ」
やはりワケがわからない。
「何もしてないなら、別に何も害は無いはずじゃないですか」
「女心がわからない人ね……馬鹿め」
「あんたに言われたくないね……馬鹿め」
しかし女心とは、確かに預かり知らぬ、いや預かり知れぬ事だ。
「最近、ご無沙汰なんじゃない。色々と」
「え………」



