□ おまけ
「会いたい……誰に?」
良く晴れなかった木曜日の午後は何か冷たいモノを食べようと思っていた頃だった。
「ほら。あんたが昔よく連れ回し
てた法学部の子(ていうか髪切
ったんだ。)」
そんなお腹を空かせたホノカに1人の少女が話し掛けてきた。
「法学部……キャンパス違うくな
い?」
医学部と法学部のキャンパスは数キロほど離れている。
「いや…あんた学際で連れてきて
たじゃん」
「あぁ……アイツね」
どうやら思い出したらしい。
「でも、どうして?」
「いや、実はさ理療科の中にその
彼に会いたいって子がいてさ」
少女は困った様な顔をして、苦笑いしながら枝毛を擦っていた。
「うーん…今日聞いてみないと何
とも……」
「あ。その人彼女はいないんだよ
ね?」
「うーん…………多分。」
こうやってホノカの会話は終了した。のだが…。



