「おはよう……」 そんな時間を費やしていると、洗面所へ行っていた彼が話しかけた。 まだ起きたばかりで水に濡れた髪は、凛とした青い黒色。 『あ………』 と彼に気付き立ち上がる。 直ぐに近くに寄って耳元に囁く。 『なかなか起きてくれないの。お願いして良い?』 「良いよ……」 彼が返事をすると彼女は少し頬を桃色に染めて、奥のキッチンへ向かった。 そして起きたばかりの彼は少し不安そうな顔をして、眠り姫に声をかける。 「おーい………」