「…陸、どうしたの?」 「……ごめん」 ──なんで? 陸は、梓ちゃんと会って話したんだよね? どうしてあたしの目を見てくれないの? 「もう大丈夫だよ」って、微笑んでくれないの…? 「…陸、」 呆然と立ち尽くすあたしを残し、陸は無言であたしの横を通り抜ける。 陸の背中があまりにも遠すぎて、あたしは追いかけることも出来ないまま、しばらく立ち尽くしていた。 第16章 おわり