だけど。 梓はまだ知らない。 俺と真弥が、既に姉弟の関係を超えて── 互いに愛し合っていることを。 「また近いうちに遊びに来るよ。じゃあね」 「…梓、待てよ」 梓は、俺の制止を無視し、スタスタと俺の前から立ち去っていった。 残された俺は─…… ただ呆然と、梓の後ろ姿を見つめることしか出来なかった。 第14章 おわり