【完】ペテン師との甘い夜

「戸籍だって確認したわ。」



ミヒロさんは資料の中から戸籍簿のコピーを出した。



一体何処で入手してるのかな。



つか、見ても分からないし。



朱美ちゃんはその戸籍簿を見つめて



「確かに、間違いなく国見夕ね。」



と、言いながら眉間に皴を寄せた。



「じゃあ、この男と私が…。」



難しく考える朱美ちゃんの表情。



それは芸術品の彫刻よりも美しく整っていて、神秘的な雰囲気を漂わせていた。