……………−ぐいっ



あれ?



前に進もうとしたはずなのに後ろに体が行った?



なんか引っ張られた感じ。



私は後ろを振り返った。



「こんな奴より俺にしときな〜よね。」



クスクスと笑う上品な声。



外に跳ねた栗色の髪の毛。



少し細い釣り上がった青い瞳。



細くて髪の毛と同じ色の眉毛。



不思議な空気の漂った青年が私を片手で抱きしめていた。



「人が目を付けた女、横取りすんなよ。」



前にいる男が後ろの彼に飛び掛かる。



酔っ払うと人って簡単に乱暴になるものだ、なんて冷静に思う。