【完】ペテン師との甘い夜

「セキ、貴方は、ピアニストなのかしら?」



「さぁね〜!オレ、ペテン師だし!」



セキはスプーンを口元にあてて微笑む。



「さぁ、食べて。」



セキは運ばれてくる料理を口に運ぶ。



セキが食べる姿は上品で、なんだか色っぽい。



私の胸は何故だか高鳴った。



意味分からないわ…。



何この心臓の動き。



絶対おかしい、私…。



「伊織?どうかした?」



全てを見透かしたような青い瞳が私をじっと見つめる。