【完】ペテン師との甘い夜

「あっ…貴方一体何者よ!つか、なんで水嶋部長の名前まで知ってんの!?」



私はセキから距離を取る。



セキは少しおどけた顔をして、さっきまで水嶋部長がいた座席に座った。



「さあ、座って伊織?」



セキは瞳をギラギラさせて私に微笑みかける。



その瞬間、体中から力が抜けて、心臓がドクンと脈打った。



私は大人しく従う。そうすることしか出来ない。



「いい子だね。」



セキは座った私の頭を、よしよしと撫でた。