それから裁判が始まり、勿論、一審は無罪だ。 だって死亡推定時刻に、オレは国見邸にいたんだから。 その証人には勇治…いや、夕ちゃんがいる。 国見邸のお手伝いの若い女も証人だし。 オレ…"霧島勇治"には殺害動機もないから、すぐ無罪放免になった。 「ん〜っ完璧。」 「あんたには、敵わないな。」 勇治は今だに信じられないというような顔。 「オレに出来ないこと、あると思う?」 「…あるさ。例えあんたでもこの罪は消せない。」 そうだね。言えてる。