「アリバイ工作は出来てます。後はオレに任せて…。」



呆然とする佐倉典之。



これで、この男も堕ちたな。



「末恐ろしいよ、あんた…。」



後ろに立っていた勇治がそう、静かに言った。



恐ろしい…か。



今のオレにとっては最高の褒め言葉かもね。



ここまで、全て事が運べば失敗する気もしないよ。



裁判だってきっとオレがシロにしてみせる。



そして"霧島勇治"としてオレが身柄を拘束されたのは、二日後の昼過ぎだった。