【完】ペテン師との甘い夜

勇治はこれ以上の口出しは止め、オレの計画に耳を傾けた。



そしてやって来た、5年前の3月14日。



オレは電話で母親を呼び出した。



「日本に帰国したけど、家の場所が特定出来ない。」



そんなオレの言葉を信じた母親は指定の場所に来た。



そこに待っていたのは、勇治。



"国見夕"になりすました勇治だった。



母親は大人になった息子の顔なんか知らないから、勇治を疑うことなく"セキ"だと思ったみたいだ。