【完】ペテン師との甘い夜

「だって、もう"霧島勇治"としての人生、捨てたもんでしょ?」



「まぁ…そうだけど。俺と人生交換して、あんたにメリットあんの?」



困惑した勇治は俺に尋ねた。



食いついたな…。



「だから、霧島勇治として最後の仕事、してよ。」



「最後…の?」



そうだよ。最後。



「オレの母親…国見麻由子を殺して。」



コロシテ。



そうすることでしか、彼女を、救えないから…。