「謎がばれてしまえば、オレはただの男。…君を愛してるただの男になっちゃうから。」



青白く長い指が私の顎を引き寄せる。



「セキから、初めて確実な言葉を聞いた。」



愛してる。



そんな言葉一つに私の心臓は支配されてる。



「伊織だって、まだオレになーんにも言ってないよ?」



分かってるくせに。



そんなびっくりするくらい優しい瞳で見つめないでよ。



「言ってくれなきゃ、君を満たしてあげない。」



唇を親指がなぞる。



その言葉は魔法の言葉。



「あ…い、してる。」



「うん、合格。」



艶めいた笑顔が真っ直ぐ顔に降りてきた…。