【完】ペテン師との甘い夜




翌日。



私は久美に連絡して社長とのアポを取った。



久美は凄く不思議そうにしていたが、国見社長が許可したのだろう。



昼休みに会うことになっていた。



さあ、頑張らなきゃ。



私はコンコンと軽くドアを叩く。



「いいぞ、入れ。」



「失礼致します。」



社長室には資料を読む国見社長と怪訝な顔で私を見る久美。



「悪いが席を外してくれ。」



「は…はい。」



訝しげに顔をしかめた久美が社長室を後にする。



二人きりになった空間。



先に口を開いたのは社長だった。