【完】ペテン師との甘い夜

「あんた、楽しそうね。」



朱美ちゃんの憎悪を込めた声が響く。



「うんっ楽しい、スッゴクね。」



糸目なセキの瞳が朱美ちゃんを捕らえる。



しかしその青色の瞳は何を考えているのか分からない。



読み取れない。



カラーコンタクトであろうこの瞳は、真実を語らないようにするカモフラージュなのかもしれない。



「ふふふっさぁ、ゲームはここからだよ。」



セキの妖艶な笑顔。



朱美ちゃんの涼しい顔が強張ったのが分かった。



私達が形勢逆転する日は来るのだろうか…?