【完】ペテン師との甘い夜

「答えろ。」



怒りの矛先が、何故か俺の方向に向いた。



なんと答えたらいいのか…。



困り果てる俺に助け舟を投げたのか、セキはおちゃらけた感じで六道の顔の前で手をヒラヒラさせた。



「答えは、どっちも偽物じゃないよ〜ん!」



「お前、殴られたいか?」



そんなセキに六道は半分キレている。



「だって、あんたは私にセキと名乗った。なのに私の戸籍上では異母兄弟はコイツだ。」



六道は冷たい瞳で俺を指差す。