【完】ペテン師との甘い夜

「あんたが…国見夕ねぇ。」



ジロリ、またジロリと瞳が上下に動き



俺をそれこそ『凝視』していた。



「ねぇ、朱美チャン?何か引っ掛かるから呼び出したんでしょ?」



セキが俺と六道の間に入り、掌からさっきは持ってなかった携帯を出した。



おちょくってるのか…?



六道はセキを見るや否や溜息を吐き



「じゃあ一つ質問。」



とセキの額を細長い指先でつんっと弾いた。



真剣でかつ、ギラギラと瞳を光らせる六道。



端正に整った顔は威圧感を放っている。