「それで、情報は?」

「これだ。場所はラピアス。此処からだと馬車より汽車の方が良い」

「……ああ、確かに。今日中には着かないのが心苦しいな」


ルーディーから受け取った依頼の紙を見ながら、リセは落胆した。

解放者としての仕事は、その一日が命取りとなる事もあるのだ。


「そう思うなら、早く支度をして行くんだな。依頼人……には連絡しておく。だから……」

「着いたら役所に顔を出せ、でしょ?
この手の依頼は大抵その土地の長やそれに準ずる者って事くらい、
受ける事が少なくても分かっているよ」


少し悲しそうな笑みを浮かべながらも、

リセはルーディーに小さく“ありがとう、いってきます”と呟くと、ギルドを後にした。


「先生に短くても一週間はいない事を伝えないと……」


家に戻って支度をする前に、リセは自身の職場である医院に顔を出す。

丁度開院直前だったのだろう。リセは直接“先生”にその事を伝える事が出来た。