「リセ君……本当に何処に行っちゃったの?」


落ち着きを取り戻したセレンはリングデイ兄弟と共に、

手がかりもないままリセを探していた。残された手がかりはネックレスのみ。

早朝の出来事と言う事もあってか目撃情報も得られず。

このままでは捜索を始めてもらう事も出来ない。


「リセ君が理由もなく行方をくらませるなんて有り得ない。
って、ことは、事件に巻き込まれた? 誰かに襲われた? 誘拐とか?
でもそうだとしたらリセ君を襲ってメリットがあるのは誰?」

ほぼお手上げ状態になった所で、セレンはリングデイ兄弟とは一旦別れ、

宿の自室に戻りってから改めて推測をし始めた。

「リセ君を誘拐する事で利益を得る人……うーん……
大体は身代金目的だろうけど、リセ君のお母さんに脅迫しても無意味だよなぁ……」


セレンの頭はパンク寸前であった。しかしそんな時である。