一番多いのが賞金首に町を荒らされたから助けて欲しい、と言った地方からの依頼である。

他にも作業に人手が足らず、力を貸して欲しい。遠くへ出かけるから護衛をして欲しい。

怪我をしてしまったから家事をして欲しい……等、その内容はピンからキリである。

リセが探している案件は賞金首の情報でもなければ、その他の事でもない。もっと特殊な事である。


「……本当は僕みたいな奴に任せられるものがないから隠している。とかじゃないだろうな?」

「そんな事はだね……」

「はは、分かっているじゃねえか。リセちゃん。
幾ら能力持ちでもな、お前なんてもやしみたいな奴に、任せるなんて無謀すぎるぜ」


ギルド役員とリセの会話を聞いていた、やけに筋肉質の男は笑いながら嫌みを言う。

男もまた、リセと“同類”なのである。

恐らくは“その仕事”を手に入れてご満悦なのだろう。

リセは軽くイライラを募らせつつも、冷静な態度で男に接した。