「…………此処は」


とある場所。やたらと静けさを感じる家でリセは目を覚ました。


(確か僕はあの時……)


まだかすかにふらつく頭で、今までの事を思い出すリセ。

確かお守りの首飾りを付けようとして……。


「そうだ! …………!?」


全てを理解し、動こうとした瞬間に、左手首に感じる冷たい感触に気付く。

その手首とベッドの柱を繋ぐ手錠である。これでは逃げ出す事も出来ない。


「気付いたか?」


ドアの開く音ともに姿を現したのは一人の男。

歳は見た目からしてロディアより少し年下の二十代前半くらいだろう。

不敵な笑みを浮かべ、まるで何かに勝ち誇ったような表情だ。


「お前か。僕を襲ったのは」

「いいや? 襲ったのは俺の双子の兄の方だ」

「本人でなくてもこうしていると言う事は、
お前が僕を襲ったのと一緒だろう? ……目的はなんだ?」