「お待たせ、パンとスープ。それから……」

「ねえ、女将さん! リセ君ご飯食べに来なかった?」

「あれ? 後から来るんじゃなかったの? セレンさんだっけ?
貴女一人で来たから、てっきりあの子はまだ食事はしない物だと……」


セレンの嫌な予感は更に増す。リセはラウンジにも来ていなければ、朝食も撮っていない。

まさかもうこんな時間にウィルドの所へ行ったのか? 

もう彼女にはそれだけしか考えられなくなっていたからか、

セレンは食事に手をつけずに外へと飛び出した。

しかしリセらしき人影はない。何度も辺りを見回すも、やはり見つからない。

ちゃんと朝食を済ませてからリセを探そう。

もしかしたらその間に出掛けているならば、帰って来るかも知れない。

そう考えたセレンだったが、そんな淡い期待もすぐに打ち砕かれた。