それから二年。私は大学四年生になった。 バイト先に着くと、先輩がいつものように明るく挨拶をしてくれた。 「おはよ、今日大学ないんだっけ?」 「休講なんです」 「バイトする時間増やしてもいいよ?」 「遠慮します。練習するんで」 先輩の冗談に私はそういって笑って返すと、瑞希のギターをロッカーに入れて、制服に着がえる。 「大学って普通に音楽じゃないんだよね?」 「普通に普通科です。でもある程度は昔教えてもらってるんで」 もう二度と、教えてもらえないけれど。