学園生活は溺愛の始まり〜白馬の王子様は、一人だけ。〜

学院長室を後にし、私は簾弦先輩の後に続いて特別寮へと向かった。

学園の広大な敷地の奥、木々に囲まれた一角に佇むその建物を見て、私は思わずその場に立ち尽くしてしまった。

「……え、ここ、本当に寮……ですか……?」

目の前に立ちはだかるのは、ガラス張りで洗練されたデザイナーズ高級マンションのような建築物。エントランスの自動ドアを抜けると、ホテルのロビーかと見紛うような美しい大理石の床と、大きなふかふかのソファセットが並んでいた。

「ん? 何かそんなに驚く要素ある……?」

私の驚きようを見て、簾弦先輩は不思議そうに首を傾げた。

「た、たくさんありますよ……! ここ、凄すぎませんか……!?」

「そうかなぁ。俺、昔からずっとここに住んでるから、あんまよくわかんないや」

どこまでも飄々とした様子で言いのける先輩。どうやらこの規格外の豪華さも、彼にとってはただの「見慣れた日常」らしい。

「まぁ、セキュリティだけはしっかりしてるよ。ちなみに一階がエントランスで、二階が各学年の二位の部屋。三階が各学年の一位の部屋になってるんだ」

「学年ごとに分かれてるんじゃないんですね……!」

「うん、成績順だからね。二階には俺の部屋もあるよ。で、三階が中三の一位と、中二の一位、そして……新入生一位の姫奈ちゃんの部屋だね」

「へぇ……そうなんですね……」