恋の花火がきえる時。

恋人になった翌朝。

 私は、いつもより早く家を出た。

 門の前には、もう光輝が立っている。

「おはよう、光輝」

「遅い」

「まだ約束の時間前だよ?」

「……そうだったか」

 昨日と同じ会話なのに、今日は少しだけ違って聞こえた。

 恋人になった。

 その事実を思い出すたび、胸がくすぐったくなる。

「光輝」

「何」

「私たち、本当に恋人なんだよね?」

「昨日から何回聞くんだ」

「だって、まだ夢みたいで……」

 光輝はため息をついた。

 それから、誰もいない道の端へ私を引き寄せる。

「夢じゃない」

「光輝……?」

「俺たちは、恋人だ」

 まっすぐ見つめられて、顔が熱くなる。

「そ、それなら……恋人らしいこと、してみたい」

 言ってから、恥ずかしくなって俯いた。