今宵、黒蝶を溶かして。

冬真に案内され、光莉はアジトの奥にある部屋へ入った。

黒を基調にした静かな部屋。
机の上には何冊かの本と、古びた写真立てが置かれている。

「ここ、冬真くんの部屋……?」

「ああ」

冬真は棚から一枚の写真を取り出した。

そこに写っていたのは、幼い頃の光莉と冬真だった。
泣きそうな顔でしゃがむ光莉の隣に、少し不機嫌そうな冬真が立っている。

「……私、泣いてる」

「迷子になったんだ」

「冬真くんが見つけてくれたの?」

「お前が泣きながら、俺の名前を呼んでた」

冬真は写真を見つめながら、静かに続けた。