今宵、黒蝶を溶かして。

「泣くな」

「ご、ごめんなさい……」

「謝るな」

冬真は少しだけ身をかがめ、光莉にしか聞こえない声で囁いた。

「ここでは、俺が全部守る」

その瞬間、光莉の胸が大きく跳ねた。

――凍てついた総長の心を溶かすのは、まだ先のこと。

けれど冬真の心はもう、光莉だけを見つめ始めていた。