その溺愛、予想外につき。

顔合わせが終わると、すぐにレッスンが始まった。

広い鏡張りのスタジオ。
床にはいくつもの立ち位置テープが貼られていて、壁際には音響機器が並んでいる。

私は中央のテープを見つめながら、こっそり息を吐いた。

ここで踊る。
みんなと同じように。
兄の代わりとして。

「そんなに固まってると、床に根っこ生えるよ」

声をかけてきたのは、あさひだった。

「……固まってない」

「固まってるって。肩、上がりすぎ」

そう言いながら、あさひは私の肩を軽く押した。

「力抜いて。踊る前から疲れてどうすんの」

「わかってる」

「じゃあ、やってみて」

音楽が流れ始める。

最初は簡単なステップだった。
けれど、振りが一つ増えた瞬間、私は足の動きを間違えた。