その溺愛、予想外につき。

私は真ん中寄りの位置に立たされた。
左右にメンバーたち。
前を見れば、大きな鏡。

その中に映る六人の姿は、まだ少しだけちぐはぐだった。
でも、ひとつのグループに見えなくもない。

るかが隣で小さな声を落とす。

「だいじょうぶ」

その言い方がやさしくて、胸がまた熱くなる。

私はほんの少しだけ、誰にもわからないくらい小さく頷いた。

だけど次の瞬間、反対側からあさひの視線を感じた。

「……なんか気になる」

その呟きに、心臓がひやりと冷える。

あさひは腕を組んだまま、じっと私を見ていた。

「涼っぽいのに、涼じゃない感じ」

その言葉に、息が止まりそうになる。

るかも、れんもしおんも、空気を読むように黙った。
ほんの一瞬だけ、部屋の温度が下がった気がした。

ばれた。
そう思った。

けれど、あさひは次の瞬間、にっと笑った。

「ま、そこが逆に面白いけど」

……え?

呆然とする私をよそに、あさひは楽しそうに続ける。

「前の涼より、今の方が見てて飽きないかも」

その言い方は相変わらず勝手だった。
でも、疑いとは少し違う気がした。

私は張っていた息をそっと吐く。
まだ危ない。
でも、完全に拒絶されたわけじゃない。

この場所でやっていくのは、やっぱり簡単じゃない。
それでも――

六人並んだ鏡の中で、私は少しだけ背筋を伸ばした。

兄の代わりとして。
天宮涼として。
そして、まだ誰にも知られていない天宮ふわりとして。

ここから本当に、物語が始まるんだ。